戦後間もない時代に建てられたお屋敷を、これからの暮らしに寄り添う住まいへとリノベーション。
長い時間を経て受け継がれてきた素材や空間の記憶を大切にしながら、単なる保存に留めるのではなく、次世代へとつながる文化的で価値ある住まいとして再構築することを目指した。
平面計画は、日本の古民家に多く見られる襖や障子によって四つの空間を緩やかに区切る田の字型の構成を基にしている。かつて冠婚葬祭の場として使われていた座敷群は、現代のライフスタイルに合わせてLDKとして再解釈し、家族が日常的に集う中心的な場所へと生まれ変わりました。建物全体の容積を抑えるために上階の一部を撤去し、吹抜けを設けることで自然光と風が住まいの奥まで行き渡るようになりました。これにより、採光・通風性能の向上に加え構造の整理による耐震性も向上した。
室内には、かつて囲炉裏があった場所に薪ストーブを設置。火のある場所は自然と人を引き寄せ、家族が同じ時間を共有する住まいの象徴的な存在となっている。
暗く閉鎖的であった回廊や使い勝手に課題のあった御手洗は、FWICとして再生し日常に寄り添う機能的な空間へと転換した。かつての動線を見直すことで、暮らしの中に新たな快適さと余白が生まれている。
古民家が持つ時間の重なりや佇まいを尊重しながら、現代の住みやすさを丁寧に重ねること。建築とインテリアが静かに溶け合い、過去と現在、そして未来をつなぐ古民家再生です。
工事場所:岡山県井原市
敷地面積:107坪(354㎡)
延床面積: 63坪(211㎡)
構 造 :木造伝統工法
間取り :6SLDK
ご家族 :4名































