万能倉の家2025

グレージュの塗り壁と国産杉の柔らかな表情が、落ち着きと上質感を漂わせる住まい。外観からは端正さが感じられる一方で、内部は巧みな空間構成によってコンパクトさをまったく感じさせない広がりを持つ。

 

視線の抜けと天井の高さを丁寧に操作することで、静かで心地よい伸びやかさを生み出しています。住まいの中心には囲い庭を配し、内と外を柔らかくつなぐことで日々の暮らしに穏やかな余白と光のリズムをもたらす。四季折々の光や風が庭を通して室内に届き、暮らしの一瞬ひとつひとつに豊かな表情を添える。家族の動きや会話、日常のささやかな時間までもがこの庭を軸に自然に重なっていく。

 

室内の意匠には、美しい化粧柱や梁を現し木の素材感と表情を空間の中核として際立たせました。キッチン上部のサーモアスペンが光を受けて穏やかに空間を引き締め、生活の風景に奥行きと深みを添える。家事動線や収納も緻密に整えられ、情緒と機能性が静かに調和する住まいとなりました。

 

光と風、素材、そして家族の営みが互いに呼応し合う空間は、ただ快適なだけでなく暮らすことの喜びや日常の美しさを改めて感じさせてくれます。端正な佇まいの中に心がほどける柔らかさを備えた、情緒豊かな住空間です。

工事場所:広島県福山市

敷地面積:82坪(271㎡)

延床面積:30坪(101㎡)

構 造 :木造軸組(在来)

間取り :2SSLDK

ご家族 :3名