北庭の家

騒々しい県道から適度な距離を保ちつつ、周囲の自然と緩やかに呼応する平屋住宅。

のびやかな切妻屋根の一部を切り取り設えた北庭は、北側に広がる自然の緑を住空間へと引き込みながら、同時にリビングに安定した拡散光をもたらす装置として機能している。

直射日光に頼らない採光計画は、季節や時間帯による光の揺らぎを穏やかに受け止め室内環境を均質に保つ。植栽に反射する柔らかな光は、風や雲の動きと呼応しながら刻々と表情を変え、日常の暮らしに静かな彩りを添えるとともに訪れる人と住まう人の双方を和ませる憩いの場を生み出しています。
北庭は単なる外部空間ではなく、内と外の境界を曖昧にする中間領域として、生活に奥行きを与える。開口部の位置や寸法、天井の高さや形状は緻密に検討され、一日の中で移ろう光の変化を制御しながら室内に心地よいリズムを与える。光の量だけでなく、落ち方や広がり方までを設計することで空間は過度な演出に頼ることなく成立。

 

光は単なる採光要素ではなく、この住まいにおいて光は時間の流れを可視化し暮らしの速度を整えるための建築的な素材として位置付けられています。

工事場所:広島県福山市

敷地面積:174坪(578㎡)

延床面積:33坪(109㎡)

構 造 :木造軸組(在来)

間取り :3SLDK

ご家族 :3名